手組ホイールの第2回目としてスポーク長の計算をつづります。
スポーク長計算編
1.測定する必要があるリムとハブの寸法
1-1.ERD(リム)
ERDとはリム内径とスポークがリム内にはいる長さを合計したものです。リムメーカーのホームページにERD寸法が記載されている場合もありますが、経験上実測した方がいいです。モデル変更によって誤差が生じている場合や使用するニップルによっても変わってくるためです。
下の写真のように測定し、リム内径(実測値570mm(メジャーで測定))とスポークがリム内に入る長さ(実測値計算結果=11.5-8=3.5mm(片側))を求めます。
1-2.左右フランジとハブ中心の距離(ハブ)
ハブもメーカーのホームページから各部の寸法がわかりますが、実測した方が無難です。大きく分けて4つの寸法があり、オーバーロックナット間、フランジ間、スポーク穴PCD、オフセット(フランジ中心とハブ中心の差)です。
以下の写真に大まかな測定方法を載せます。
1-3.スポーク穴PCD(ハブ)
2.スポークの規格
スポークの規格としては14番と15番が主にあり、太さがそれぞれ2.0㎜と1.8㎜です。今回はハブのスポーク穴が2.5㎜なので14番のJベンドタイプを選びます。Jベンドとはハブスポーク穴からスポーク端が抜けないようにするためのつぶし加工がされている頭がJの字に曲げてあるものです。
3.スポーク長計算
数式のa,b,c,αはそれぞれ以下のようになります。
a=577(ERD寸法)÷2=288.5
bL=bR=62(ハブスポーク穴PCD)÷2=31
cL=22.5(左側フランジからハブ中心までの距離)
cR=29.5(右側フランジからハブ中心までの距離)
αL=αR=360°÷32(スポーク穴数)×6(スポークの綾の取り方を6本組にするため)=67.5°
よって、エクセルなどで計算すると以下の結果を導けます。
しかし、注文するスポーク長は上記の1~2㎜マイナスさせたものを注文します。なぜならハブのスポーク穴PCDは穴中心間に対して、今回使うJベンドスポーク長は首折れの内側基準の長さのため太さの約半分長いものになるためです。
また、私独自の考えとしては利便性を考えて左右のスポーク長の差が少ない場合には短い方にそろえた方がいいと考えているため、今回は277㎜のスポークを40本(予備分8本含む)を購入することに決定しました。
4.購入したスポーク
DTSWISS社製のDT コンペティション 2.0X1.8/277mm BLKバテットを40本購入しました。以前に同じ会社のスポークで手組したことがあり、使い勝手が良かったことと安売りしていたので購入しました。ちなみにバテットとはスポークの両端が太さ2㎜で中央部分が絞り加工がされて1.8㎜に細くなることで少し軽量化が図られているものです。
5.次回予告
部品がすべてそろったので次回仮組までの組み立て編をお送りします。
以上です。ありがとうございました。